情報の整理術とか組織の仕組み的・マインド的育て方とか、ありがたい話を聞いてきた
今回もとっても濃厚で、え、これ無料ですか…?という盛り沢山な内容でした。今回の内容としてはデザインの技術についてというよりは、どちらかというと考え方やマインドが主軸の会だった気がしていて、自分がデザイナーとして、かつ私を受け入れてくれた組織の一員として、成長するために間違いなく必要な内容だったなと思います。(ありがとうございました!)
今回参加したイベントはこちら↓ wcan.jp
そしてすごいボリュームになりそうなので今回は目次↓
- Session1: WEBデザインにも戦略を!自社の魅力を伝える思考法を学ぶ
- Session2: 地方制作会社が実践してきた組織としての成長方法
- Session3: ピンチをチャンスにする!withコロナ時代に生み出される“デザイン”
- MainSession: 情報過多時代だから身に付けたい知識を養う整理術
- パネルディスカッション:withコロナ禍で変わったWeb業界の仕事と働き方
- まとめ
Session1: WEBデザインにも戦略を!自社の魅力を伝える思考法を学ぶ
発表された方:デザインコンサルタント/株式会社ワイルドシンク 松本 恵さん
学んだこと
- AB3Cフレームワークという思考法
- 競合他社・ユーザー(の求めている価値)・自社の資源や強み、という3視点の関係を整理し、その中で自社(サービス)が選ばれる理由(差別的優位点)を探すために使う
「コーヒーを買いたいユーザー」をターゲットにすると一言に言っても求める価値は多種多様
↓
求める価値でユーザーを分類する
- 苦いコーヒーが買いたい
- 香りが特徴的なコーヒーが買いたい
- 個人で楽しみたいので、酸化しないように個包装がいい
- 大人数で一気に消費するのでまとめ売りでお得に買い求めたい
などなど
★実は多種多様な価値(希望)をミックスして商品を求めているケースが多い
↓
自社の強みが生きる、相性の良いユーザーを絞り込んで本当の見込み客(ターゲット)に絞り込む
- 自社は苦味が特徴のコーヒーを取り扱っていて、上品な個包装で提供している商品が主力、など
- 競合とは「ターゲットユーザーが購入するときに検討している範囲に入ってくるもの」
- その競合と比べて、自社を選んでもらえる「好ましい違い」が他社に対する差別的優位点となる
- AB3Cフレームワークで見つけ出した【ユーザーの求めるベネフィット ✕ 自社の差別的優位点】をデザインに落とし込む
- ↑これがいわゆる戦略メッセージ
- 自社の戦略メッセージを初見でユーザーに伝える必要があるので、キービジュアルに落とし込む(ユーザーはいくつもサイトを巡るので、第一印象で「自分の求めている商品とは違う」と感じればすぐに次のサイトへ移ってしまう)
- ユーザーはキービジュアルを見て目的のものを絞り込んでいく
- 戦略がないままWEBサイトをデザインしても、成果がでない
- まずはユーザーを掘り下げて、自社が選ばれる理由を導き出し、そこにどう訴求するかという戦略を立てていけばデザインで何を伝えれば良いのか迷わない
- サブベネフィット(ユーザーが主に求めている価値に付随する別の希望)を定めるとき
他方角から定められる、統計的にみる、「業界で求められている価値」に対して「自社の特徴から考えて活かせるポイント」に定めている - 企業や経営者の価値観をAB3Cに反映することを意識してやっている(それが本来の戦略になり得る)
- ターゲットが求めている価値をどうやって抽出するのか
- リピーターやユーザーにアンケート
- 調査分析も大事 → 市場調査も反映する
- 同じ業界の人に話を聞く(競合他社)
- AB3Cは今すでに抱えているユーザーの新たな(別の)要望を持っているか探っていけるし、新しい顧客層も探っていける
感想
顧客のゴールを達成する手助けをしたい!といつも思っているけど、具体的にどうするか、どうやって手助けしていくのかがとても明確なイメージになった。ただオシャレなデザインができるだけではなくて、こういう思考整理や戦略からブランディングに携わって、それを形にするフェーズとしてのWebデザインも自分できる、みたいなデザイナーにずっとなりたいと思っているけど、この話を聞いて「早く現場でやりたい!!!!」のうずうずがすごかった。
Session2: 地方制作会社が実践してきた組織としての成長方法
発表された方:GrowGroup株式会社 小野 隆士さん
学んだこと
- 社員19名で年間366本のプロジェクトがあり、受注から納品までワンストップで提供していくためのWEB制作の仕組み
- Backlogを使用したプロジェクト管理
受注タイミングでタスク構成、修正についてもタスク化されて連動しているTypetalkで通知がくる
特定のメールアドレス宛に顧客から修正依頼が来ると、自動的にタスク追加される(すご!) - ある程度定型化された作業はテンプレートに落とし込むことで、本当に必要な作業(品質向上など)に割ける時間を多くする
- 品質を高める仕組み
- 企画キックオフの時点で、各職種(エンジニア、デザイナー、ディレクターなど)で仕様の抜け漏れチェック
- デザイン方針定義書などでデザインの方向性をすり合わせ
- コーディング完了時点でデザイナーチェック
- WP全行程完了時点で全ページに渡るテストデバッグ
- 納品チェックシートで納品時の抜け漏れチェック
- 会社に知識を蓄積していく仕組み
- 工程間のコミュニケーションの仕組み
- 委員会制度により、各業務工程の改善を図る
- 営業・ディレクター・広告運用委員会:営業工程の改善
- デザイン委員会:デザイン工程の改善
- コーディング委員会:コーディング工程の改善
- 業務改善委員会:工程を横断した改善
- 制度化・タスク中心に業務を行うことにより顕在化した課題
- 自分の担当タスク以外に目が向きづらくなる
- 会社全体の方向性が見えづらくなる
- 忙しくなると、タスク以外をこなすゆとりがなくなる
- その課題への対策
感想
前職のときも、いつも遅くまで残業している同僚を見ていつも早く帰してあげたいなと思っていて、こういう必要に応じたテンプレートを浸透させて繰り返し作業をもっと効率的にできるビジョンは浮かんで色々やってみてたけど、なかなかやっぱり1人では難しいなと感じていたので、組織としてうまく機能しているのは純粋にすごい!良いな!ってなった。あの人も遅くまで残業しているから私も…みたいな身を削って差し出し合うよりも、削れる所は削って、早く家に帰って疲れを取って、マインドも整えてパフォーマンスをあげて顧客に還元していくのが理想だと思うし、単純に私はそういう社会で働きたい。笑 だからたった一人の声だとしても、改善点を探し続けて考え続けることは続けていこうと思う。
Session3: ピンチをチャンスにする!withコロナ時代に生み出される“デザイン”
発表された方:株式会社エイチームライフスタイル 章 瑠希さん
学んだこと
- 雑談の中から生み出される社員間の関係性であったりクリエイティブのきっかけが、コロナによるリモートワークで希薄化するかもしれないという懸念
↓
課題をまとめると:空間を共有することで無意識的に行えていた受動的かつ自然発生的な「企業文化の醸成・継承」が、リモートワークによる空間の断絶によって個々人の能動的な行動や意識に依存してしまっている
↓
オンラインで様々イベントを実施 - 大規模なLT大会や社内ハッカソンなど
- 制約の中でこそ、クリエイティビティは発揮される
- 今を深刻に捉えすぎず、未来に真剣になる
- オンラインだからこそ従来よりも実現できること
感想
今の状況を嘆くのではなくて、従来から丸っきり変わってしまった今の状況だからこそできること、活かせることを前向きに見つけて、そこを土台に発展を止めない姿勢が会社の文化としても一人一人の社員の方としても素敵だなと思った。チームを横断したオンラインハッカソンや、有志がたくさん登壇する社内LT大会はオンラインだからこそやりやすいというか、利点もあっただろうし、コロナで世界が変わったから、その変化についていくだけでなく自分たちでも新しいものを作り出そう!というクリエイティブな心を持ち続けたいなと思った。★Discordのボイスチャットルームでみんなと繋がっているのは、雑談もしやすくて良いなと思ったのと、生活音が聞こえないように基本的にはマイクミュートっていうのも小さな工夫だけど気持ちよく働けるなと思った。
MainSession: 情報過多時代だから身に付けたい知識を養う整理術
発表された方:長谷川 恭久さん
学んだこと
1時間のメインセッションということもあったけど、知らない知識や考え方がお話の間ずっと芋づる式にどんどん溢れてきて、これもまた文字起こしみたいになってしまったんだけど、追いつけなくて拾いこぼしがたくさんあって悔しい…でも少しでも自分のものにするためにとにかく掴めたものを箇条書き↓
- miroの画面、みんなの名前つきのカーソルが動いててリアルタイム感すごい!
- ノーマンニールセンがUXデザイナーなにしてるの?みたいな調査を発表したりしてる(ノーマンニールセンほんとどこの勉強会でも話に出てくるな…読もう)
- 時代に併せてデザインも変わっていく(フラットデザインからスキューモフィック、そして3Dなど)
それに併せて開発環境が変わっていく
→ 今いかにソフトが使いこなせるかではなく、いかにその変化にキャッチアップしていくか(ソフトも機能もデザインも感性も)が大切と思った - 変化が早いからこそ、学校・セミナー・書籍での情報収集では追いつけない
↓
職域を超えたコミュニケーションはますます重要
課題の複雑姓がますこそで知るべきことも増えていく
時が経てば変化することもある(トレンドや市場など) - マインドセット(捉え方・考え方)+ワークフロー(ツール・手段)が大切
- 知識とは?
自分に必要な情報を引き出す力
組み合わせて繋げて新しいアイデアを生む力
次に学ぶことを探し出す力(状況も知識も人それぞれなので、結局自分で見つけなければならない) - クリエイティブは今まで積み上げてきたものを繋げて新しいものを生み出していくこと
- 情報と知識は違う!(前述の通り)
- 参加者のいろんな考え方(思考整理)やデザインに落とし込むまでの進め方が見られて刺激になった
- 自分がどういうタイプの課題解決方法、情報収集なのか、ということが知ることもまず大切
- 新しいツールだから良いわけではなく手に馴染む、用途に合っている、自分のタイプに合うようなツールを使って向き合うことが大切
- 後で読むをやりまくるけど読まないから、情報は集めているけど知識になっていないという状況
- 自分の情報をきちんと知識に変換することを続けていくことで、新しいものをどんどん作れる
- 自分の手に馴染む、感覚に合うツールを選ばないと続かない
感想
メモを取るとかっていうよりもとにかくmiroで作られたスライドっていうのかな?資料が秀逸すぎて耳から入ってくる情報もあるんだけど視覚的に入ってくる情報にも頭が忙しくてメモを取る暇がなかったな…すごく濃厚な1時間でした。知らないツールや試みも次々画面を見せて頂いたり共有して頂いたり、とにかく本当に勉強になりすぎた!!自分の中にある情報を知識に変換していく作業が本当に大切で、それは一朝一夕にできるものではなく長い時間をかけて積み上げていくんだとひしひしと感じた。情報を拾ってきて、「あとで読もう」と貯めることはできても、貯めたものを読んで「情報を得る」ことはできても、それを自分の頭や手を介して使いこなせないと「知識」にはならない。本当にそうだと思った。(積ん読とツンデミー早く消化しなきゃ…)自分に馴染む方法や手に馴染むツールでしっかり知識として転々とした情報を紐付けていくことをもっとやっていきたい!上手く表現できないけど本当に大事だと思う!本当に!(知ってるのとそれができるのとでは全然フィールドが違うし、そこから新しいものを生み出せて一歩目な気がする!たしかに!!!)
パネルディスカッション:withコロナ禍で変わったWeb業界の仕事と働き方
コロナ禍でリモートワークを取り入れたり、ハイブリッド出社を試してみたり、新卒の育て方を試行錯誤したり、会社によって様々な対応をしていることが興味深かった。個人的にリゾート地でのワーケーションはパフォーマンスあがりそうだなと感じた(自分が行きたいだけかもしれない笑)
まとめ
ひたすら自分の所属している組織に向き合い続けることも大切だと思うけど、私はやっぱり外の世界も見に行って知ってどんどん自分の知見や世界やアイデアを広げて、そこで知ったことを自分のチームに還元していきたいなとふと思った。せっかく仕事をするならどんどん成長してやりがいも感じて行きたいし、その心地よさを仲間と共有して日々切磋琢磨できたら良いなととっても思う。そして自分のチームでのノウハウを外に発信して、それを知ったどこかが新しい何かを作り出して、それをまた自分たちも取り入れて…そういうサイクルは根本的には資本主義だと気持ちの障壁も少なからずあるだろうし難しいのかもしれないけど、その一方でそうしていこうとする風潮も十分にあると感じていて、まとまらないけど、そこに参加して世の中を盛り上げていきたい!
今回は考えるにフォーカスしたトピックだったからか分からないけど、自分の意見や考え方というフィールドの脳がすごく稼働した気がする。こういう思考整理や自分の意見とは?考え方とは?みたいなことを理解していくこともちょこちょこやっていきたい。