UI/UXについてあれこれ話すトークセッションを聞いてきた

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今回もとっっってもためになった。今回はデザインの技術やトレンドがどうこうというよりも、デザイナーの本質とか求められる役割だとか、UIデザイナーUXデザイナーって本来こういうものだよね、これからはもっとこうなっていくよね、みたいなお話が聞けて本当に興味深かった。興味しかなかった。深い。(毎度感じる語彙力の限界)

参加したイベントはこちら↓

flexy.connpass.com

パネラーさんの自己紹介

ニッパーさん

ペアーズを作っているエウレカで働いている
会社は世界中のマッチングアプリを提供している会社と横串で繋がっている(そういうグループ?合同会社?みたいなところに参画している)

エウレカのミッションは
人生に「あってよかった」と思ってもらえるものを作ること

宇野さん

クックパッド UIデザイナー/デザイン戦略部 本部長
今年はマネジメントに重きを置いている
いろんなベースを作ってた

Q. 組織はどんな感じ?

  • 30名くらいがデザイナー(業務委託もいる)
    デザイナーは各事業部(各プロジェクト)に所属
    評価のときだけ横串にデザインマネージャーがいるのでそこで評価
    上長がデザイナーでない場合も、デザイナーとしての評価ができるように

  • デザイン戦略部
    → 全社に関わる会社に関わる広報のデザインやら、デザインのツールを準備したりやら

  • 買い物や洗い物も料理の体験の一部として捉えている
    料理につながる全ての体験をどう繋げていくか

  • 社内のキッチンで料理をして実際に試しながら試行錯誤していた

菊池聡さん

Web Directions East合同会社
「UX DAYS TOKYO」など海外のカンファレンスを日本に持ってきて開催している
最近は教育にフォーカスを当て始めている
教育プログラム、スクラム、マネージャー育成などを運営するサービス
UXをもっと色んな人が勉強できるプラットフォームを作りたい

トークセッション1:ビジネスにおけるUI/UXの進め方について

クックパッドでデザイナーに関しての役割は?
どういうところに重きを置いて仕事をしているか?

デザイナーに限らず、みんなに全てを作り上げる
明確なディレクターが少ない
誰が仕様を決める?も決まっていない
小学生のサッカー(ボールに全員が群がる)
そこから誰かがオーナーシップを持って導いていく
誰が何をやんなきゃいけないがあんまり決まっていない(意思決定者がきまっている)
それぞれがやりたいことをやりたいタイミングでやっている
最初の起案からリリース、グロースまで関わり続ける
いわゆるUIデザインに掛けられているデザインは全体の三割
ユーザーインタビューとかにもめっちゃ時間かける(デザイナーが行ったり)
毎週5人インタビューする人をアサインして各事業部が取り合っている
それを重ねて作り上げていくのが基本スタイル
まとめ:すべてのフェーズにデザイナーがいる

エウレカは各職能のスキルを深堀りする機関に振り切ろうになった
アプリも国内に留まらずアジア等にも進出し始めているので、
各職能がワールドクラスのすきるを深ぼらなきゃ!→なので役割が別れている
課題の発掘より課題の解決に注力している

色々あるね!

UI/UXに関する受託になると
会社の人間ではないので、リサーチが満足にできない(金融なら個人情報がどうのとか)
逆に小さい会社なら一緒にリサーチからスタートできるので、手取り足取りになるけど一緒にできるのでやりやすい
いまはコロナでユーザーに会えないのでインタビューでユーザーから表情や声を拾ってくることが大変

デザイナーのプロセスを深堀り(クックパッド
はっきりしたプロセスは決まっていない
どこからデザインなのか?をみんな区分けしていない

デザイナーが入っていると、
言語化から始まって認識合わせのためにプロトタイプを作っていき
コミュニケーションの道具としてFigmaを使っている
デザイナー以外もみんなFigmaのアカウントを持っている(Miroと同じ感覚で使っている)デザインもその延長で進めていく
UIキットをデザイナーが作っているので、デザイナー以外の職がこんな感じ!でキットを並べながら話したりする

デザインスプリント(Googleベンチャーが生んだやつ)
3日間のやつを結構やってる(意思決定者が絶対いたりCTOが同席したり社長がでてきたりする)他のことをシャットアウトして缶詰でやっている
これが課題かもしれない、みたいな種をそこで作り出す
課題発見をそこでやって、そこからデザインとして広がっていく
叶えたい世界に達成するためにできるソリューションは何か!を考えていくとあ、そういえばこれ課題だったかもしんない、が生まれてそこから詰めていく

エウレカマーケティングが強い会社
大きなプロジェクトはユーザーインタビューを毎週やっている感覚でマーケット・リサーチを定期的にしている
2020年 すべてのシングルがターゲット、いまどういう恋愛観をもっているか、マッチングアプリに何を求めているか、などのアンケートを集めている(ペアーズに限らず)
そこから戦略を考えて具体的な機能に落とし込んで話が進んでいく

リサーチチームがアンケート作ってくれたり、戦術を極めて行って
デザイナーはコンセプトモックを作っていく、だったりクライアントのヒアリングに混ざっていくという関わり方

受託側として、どう考えても当たんないぞ?のとき話が来たらどうしているか
これは受託あるある
コミュニケーションがとれないことが原因
要件定義に沿って作ってくれ、といわれてもUIUXの出番も見栄え良くするだけのチームだと思われている

この場合、速攻で降りるか
ステークホルダー(社長とか)に、どうしてこうなったか、と話してもらう機会を設けて教えてもらう

社長がもうプレスリリースまで売っちゃったんで…「え、これ売っちゃったの?」ってなって速攻おりるみたいなのがあるある

相手方に能力がなかったら引っ込むという形態もそろそろ日本に出てきても良いかなと思っている

トークセッション2:これからのUIUXデザインについて

UIUXはどう進化していくか?
VRやARがちょっとずつ出てきている
ので、新しいインターフェースや操作体験が出てくるかな〜と考えている

クックパッドではスマホが主戦場
スマホ画面眺めてても料理って完成しない
キッチンに立ってて手を動かして料理が進むから、そこが楽しくないと…
画面の外のほうがずっと大事だと考えている一方でスマホが最強のデバイスだと感じている

家電メーカーと新しい家電の形を模索している
調味料サーバーにスマホからレシピデータを飛ばして自動調理など
AR等に望みはあるけどあおゴーグルを付けて料理をするのは現実的ではない

VUI
あれくさのスキルは親和性がたかい(VRとかよりは)
アレクサで一番使われているのはキッチンタイマーらしい
だからそこから声で操作することで親和性がたかい

受託って色んな企業の色んな案件が舞い込んでくるのが醍醐味
未来を感じる案件 や「最近こんな案件くるなあ」は?

デジタルトランスフォーメーションという言葉が流行っていて、AIやチャットという案件が増えてきた
顧客との会話、お問い合わせとかそういうのが多い
バックオフィス(サポートチーム)にAIを入れたいなど

DXという言葉自体が先に行き過ぎてAIを入れたいけどどうしたら良いかわかんない、という案件が増えている
コンテキストが分かってて、こういう理由で音声じゃなきゃだめだよね、AIにたどり着いているわけではない

AI使いたい、チャット使いたい、から始まってきているので
問題解決が深堀りされているわけではないので、何がやりたいのかクライアントも分かっておらず「とりあえず入れたい」が多い
→ 没案件が多い

事業会社はDXが終わっておりその先にいる
なのでDXやらなきゃいけないというマインドがそもそもない

Slack導入がDXだ!!みたいな
え?そうなの??って事業会社ならなる

エウレカはデートアプリなのに会ってデートできないみたいなやばい上級になったので
急いでビデオデーティングアプリを1ヶ月くらいで急いで出した

宇野さん
デザインの価値が表装的でも、何かを底上げするでも、価値はどんどんあがっていくと思う
一方でバナーを作る仕事もなくなってはいない
大量に何案もつくる、サイトごとのレギュレーションにそってデザイン創らなきゃ駄目
その仕事はどうしても発生してしまう

上は上がり続けるけど、下(バナーを作るなど)はそのままで幅が広がっていく気がしている
エンジニアは平均があがったけど、デザイナーは上は上がったけど下が上がらないと平均は上がらない

その人の能力というよりも、業務の幅が単純に広い

事業会社は課題発見。解決。情報設計がとくいな人が多いけど
グラフィックに強いひといなくてそっちが欲しいみたいなことが多い

ごりごりのグラフィッカーを雇ってグラフィック力の底上げを今年からやってる(エウレカ

受託の単価は上がってますか?
相場的にUIUXは上がっているけど、二極化している(宇野さんいったように)
ビジュアルのデザイナーが急にUIデザイナーになって、どっちつかずで苦しんでいる

ビジュアルデザイナーはビジュアルでもっとスキルアップしたら良いと思う
なぜUIに行ってしまう?

キャリアパスの教育システうとかは海外と違う
海外はUIデザイナーになるための大学の学部がある

なぜ途中で中途半端にキャリアを変えてしまう?
会社に入っても勉強をして自分の価値を伸ばしている人はいる

コツコツやれている人が何年か先にドカンとなる

質疑応答

UIUXのゴールはどのようにどの段階で決めているのか
UIUXのゴールはどんなことをイメージ?
→何かを変更するとき、作るときの成功の定義
(見た目の話じゃなくて一例の施策のゴール=UIUXのゴール)

UIUXデザイナーとして入るなら、見た目を整えるだけじゃなくて、その前の課題を拾い上げる必要がある
経営者層ともコミュニケーションをとるようなビジネスとしてどのくらいのバリューを出すのか、みたいなところにいる

結局ゴールどこ?って話さなきゃだめなので、それなら最初から呼んで欲しい

宇野さん
★回答としては「施策を決めるときの最初に決めるゴールがUIUXのゴール」
PVがゴールならそれがUIのゴール
「使いやすい!」がUIのゴールとしても、それで結局使用率をあげるためのもの
UI独自のゴールというのは存在しない

KPIの決め方もプロダクトの色がでる

サービスがユーザーに沿っている、をどう測っているか?
レシピ決定率を定量的に測っている
キーワード検索→レシピ到達→その画面がどれだけ開かれているか、とか
その決定率を数字にしている

けど、楽しんでいるか、を測ることを難しい
多様性のある料理をしているか、料理のマンネリ化を防げているか、を大切にしているのでそこを測っている →それは楽しいかどうかを測る指標にしている

NPS?LPS?という活動が大事らしい
アンケートを集めている(アプリ使って生活変わったか、とか)
どういったマインドで使っているか、がそのサービスを使い続けてくれるか、がかかっている

数多ある情報の中からこのサービスをどうやって使ってもらうか、を考えることが大切
→感情がとても大切な要素

クックパッドが参考にしているデザイン組織
考える時にベンチマークしている企業とかある?
→あらゆる企業を見ていく
デザイナー同士のつながりがほっとくと薄れる(事業部単位なので)
お互いの顔も知らないのが課題だった

いろんな企業をみて
それを真似してる
合宿ができないならみんなの手元に届けばいいじゃないか!
チームぎめも箱を開けるまでわからない、とか

ビデオデーティングという機能を1ヶ月でリリースというのは随分早い対応と感じました。課題発見などの調査に要した時間、デザイン、実装の期間はどのような時間配分で行われていたのでしょうか。

ビデオデートはもともとやりたいね〜っていってた
ビデオ通話は日本では全然浸透していない文化
実際に会う前に顔を見て話すことで安心していけるようなそういう定義
機能定義は他社がすでにサービスを出していた
機能とデザインが同時進行で進んで最後ガッチャンコしてゴーした

普段はめちゃくちゃホワイトなんだけど、
残業とかも全然ないけど、
コロナ来てやばい!ってなってがっとやってがっと出した

ところどころわちゃわちゃしてて楽しかった

デザイナー足りないらしい
まとめ記事が出るらしい

感想

アーカイブもどうやら配信されなさそうだし、ずっと喋りっぱなしだし、ということで今回もずーっとリアルタイム文字起こしみたいになってしまったから取りこぼしが多発していると思うけど、それでも得るものはたくさんあった会でした。こういう学んだことを現場に還元することで初めて価値は生まれると思っているので、早く現場!いきたい!となりました。終わり!